ニューズレター

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2013年1月14日発行
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謹んで年始のご挨拶を申し上げます

 皆さま方におかれましては健やかに新年をお迎えのことと謹んでお慶び申し上げます。
 日頃からお世話になるばかりでありますが、その心温まるご支援に感謝申し上げ、「彦根を元気に」そして「滋賀を元気に」を念頭にますます努力精進する所存でございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

嘉田由紀子知事の新党結成

 昨年末の総選挙において滋賀県政の立場を大きく変えてしまったのは嘉田由紀子知事の新党結成であります。このことは県議会にとっても寝耳に水の出来事であり、議会開会日11月29日の本会議前、全員協議会で初めて知事から説明がありました。そのなかで多くの議員が知事の行動に疑問を持ち、質問したところでありますが、知事は意に介さずご自身本位で総選挙へと突き進んで行かれました。
 地方自治体の長である知事と国政政党の党首は自ずとその立場で相反する判断を迫られることは自明の理であり、知事としての公務に支障が出るのは誰の目にも明らかでしょう。12月3日の代表質問と19日20日の一般質問も嘉田知事の思考と行動に対する議論に明け暮れてしまいました。
 この滋賀県議会11月定例会本会議は総選挙による日程変更と知事の行動に対する議論に終始し、議案に対する質疑の時間が充分とはいえなかったと思っております。本来なら今議会に上程された「滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例」や人事委員会勧告の「地域手当を4月に遡り0.1%引き上げ」「自宅に係る住宅手当の廃止」など本会議場で県民によく見える形で議論しなければならなかったと反省しております。

県議会本会議では

 嘉田由紀子知事が、とても多くの滋賀県民に信託を受けて知事に再選されたのは、滋賀県政の長としての知事であります。二元代表制の地方自治と違い、政党政治である国との関係において、滋賀県が政権与党はじめ第二党や第三極の政党までも敵に回してしまうようなことを言い出すとは、県民も努々望んでいなかったと思います。
 県議会本会議一般質問でも14人中10人が嘉田知事の政治姿勢を問う質問で、滋賀県知事と国政政党党首の兼務の疑問を質したものでした。
 嘉田知事は「国政と県政の回路が繋がっていなかったから、その回路を繋ぐ役割をしたい」「知事という立場で国政政党の党首をやることが県政のためになる」という発言に終始し、誰もがあきれるばかりの議場でした。
 我々は物理的な仕事の仕方も勿論ですが、それ以上に兼務が厳しいとする理由は、少数野党の党首の立場と県知事としての立場では自ずと矛盾する発言が多くなるということです。現に消費増税に関して知事としては賛成されていましたが、党首の立場なら反対などという発言はすでに矛盾しています。
 少数野党の立場であれば政権に批判的に成らざるを得ません。しかしながら知事としては政権と上手にコミュニケーションをとらなければなりません。その相反する立場を肩書きで使い分けるなどそんなご都合主義が通用するはずもないのです。

兼務解消の決議

 知事の思いとは裏腹に今後滋賀県という自治体が国から相手にされなくなる場面が増えてくるでしょう。もはや取り返しのつかないことをしてしまった知事の責任の重さと、ことの重大性に鑑みて滋賀県議会として意思表示をする必要があることから、本会議最終日に「知事と国政政党の役職の兼務解消を求める決議」を議決するに至りました。
 この決議は知事職の不信任はできても政党の代表については県議会には手の届かないところにあり、ご本人の判断によりどちらかを辞していただき、兼務を解消することを求めるものであります。本来は全会一致で議決するべきものですが、対話の会だけ賛同を得られませんでした。しかし私には、その対話の会の反対討論は決議の趣旨には賛同するものであり、国政に与しないとする地域政党の矛盾を露呈したように見えて残念な思いです。
 結果、新年には政治団体の代表の座を降りられたことは賢明な判断だったといえるのでしょう。今後の動向を注視していきたいと思います。

県議会議員として

 さて、総選挙では多くの皆さまのご理解をいただき、自由民主党は政権奪還を果たすことができました。
 安倍晋三総裁もその挨拶でおっしゃるように、今回の勝利は、自民党が国民からの信任を取り戻したのではなく、民主党政権の稚拙な政権運営による国益の毀損、誤った政治主導による政治の混乱と停滞、その失望の3年間に終止符を打つべく立ちあがった国民の判断、民意の結果であったと思っております。我々は、自由民主党に対し、未だ厳しい視線が注がれ続けているという緊張感を胸に、誇りある日本を取り戻すために、全身全霊を捧げて取り組んでまいります。このことは皆さまからの負託を受けた地方議会の現場でも同じであり、驕ることなく県政の場でも同様に謙虚さをもって、是々非々で判断していきたいと思っております。

大飯原発運転停止を求める意見書の提出を求める請願

 「活断層の疑いが極めて高い敷地内に設置されている大飯原子力発電所3号機および4号機の運転停止を求める意見書の提出を求める請願文書」が提出されました。委員会で審査の結果、委員長報告は不採択です。採決で賛成の起立をすると、この請願を認めないことに賛成ということになります。
 9月にも原発運転停止を求める意見書の提出を求める請願が提出されていて、そのときの委員長報告も不採択でありました。
 原子力発電事業は、推進してきたのが自民党政権の時代ということ、民主党政権で再稼働を決定したということ、責任を持って安価な電力を安定的に供給することの重要性などから、県議会では自民党、民主党が再稼働容認の立場をとっております。このことから「大飯原発停止を求める意見書の提出を求める請願」が不採択となるのです。
 私は原子力については人類が立ち入ってはいけないところへ入り込んでしまっていると考えており、個人の信念として、もともと利用すべきではなかったと思っております。また、請願における「即止めてほしいと願うその思い(願意)」についてはこれを極力認めて採択するべきと考えております。それが大方の思いであるとするならば尚更です。
 この請願について私は採択しても良いと考えるに至り、私自身の信念に基づき自民党議員団の意向に反しましたが9月定例会では不採択に反対の立場から起立しませんでした。そのことで閉会後に会派の政調会長からしっかり苦言をいただきました。そして、11月議会では会派の意向もはっきり示されておりますので、私はその採決の時だけ席を外しました。自分なりに精一杯是々非々の判断をしていると思っております。

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