ニューズレター

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2016年3月21日発行

改札口設置を要望する署名運動に 想うことなど

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 彦根駅は、改札口や乗車券発売所など駅舎の機能をプラットホーム上階部分の1箇所に集約した「橋上駅(橋上駅舎)」である。橋上駅は駅の空間が広く、駅機能の充実や構内で商業施設事業を展開することもできるなどのメリットがある反面、高齢者や身体障害者にとっては階段の上り下りが大きな障害となっている。
 大津からJR琵琶湖線で彦根駅の1番線に着いた電車を降りて、45段の階段を上り、改札を出て西口の46段を下り、見慣れた通りを歩き家路を急ぐ。階段を上ることなくそのまま改札を出られればと思っているのは私だけではないようだ。彦根駅西口の改札口が1階にもあれば、上がり下りなしにホームと駅前広場を行き来できる。鉄道利用者にとって、混雑緩和と利便性が向上する。
 彦根駅西口1階改札口設置の要望署名運動を始め、朝の駅でご挨拶とともに署名用紙を配りはじめて3ヶ月が過ぎようとしている。署名用紙を受け取り階段を上りきったにも関わらず、署名して投函するために下りて来てくださる方、投函する機会を待っていてくださったのだろう、カバンの中でしわくちゃになった署名用紙を渡してくださる方もおられ、とても有り難く思った。西口1階改札口を何としても完成させたい。
 彦根市は、西口外側エスカレーターの再整備に合わせ、下りエスカレーターを新設すると、2億7千万円の予算を2月議会に提案された。ホーム階段にエスカレーター設置の計画はなく、何のための下りエスカレーター新設なのかよく解らない。西口1階改札口設置には、1台7百万円といわれる自動改札機が2台もあれば実現できるのだ。
 私は県議会議員として何年も前から、関係機関に改札口設置の希望を伝えてきたが、「できない理由ばかり」が返ってくる。守山駅の直接出る改札口は、売店の売上増を目論んだもので、その効果が出ずJRとしては廃止したい思いだとか。大津駅の利便性の向上から大津市が大変立派な南自動改札口を設置したが、維持管理費が多額に上るとのことから返還。仕方なくJR西日本で再設置し、ひんしゅくをかったなど、気持ちが挫けるようなものばかりだった。
 改札口設置の署名運動の目標は1000筆。現在集まっている用紙は595枚。1枚1人が多いが裏面に賛同者10名というものもあり、もう少しで目標に達することができると感じている。
 新年度早々には彦根市とJR西日本に改札口の設置運用に取り組んでもらえるよう要望したいと考えている。私は、最初から結論があるのではなく、何事も目標を立ててまず動き始めることがいちばん大切と考えている。この署名運動もそのひとつで、ひたすらに走っている。
 ひとりでも多くのご賛同とご協力をお願いできればと思っていますので、ご一報いただければ幸いです。

細江 正人代表質問 2016.2.19

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 2月の定例議会では、会派を代表して次のような質問をしました。また、今定例会で予算特別委員会において年長の故をもって仮委員長を務めましたので、ご報告いたします。

一、 平成28年度当初予算について
一、 今後の関西広域連合との関わり方について
一、 しがエネルギービジョン(案)について
一、 琵琶湖の保全及び再生と近畿圏の発展について
一、 少子化対策について
一、 経済政策について
一、 これからの農林水産業の振興について
一、 今後の公共事業について
一、 県立社会体育施設の整備方針について
一、 良好な治安を目指して

 特に、エネルギービジョンに関しては、「エネルギー対策についての質問」「原発から供給されるエネルギーについての質問」「原発に依存しない社会についての質問」をいたしました。詳しくは、滋賀県議会のウェブサイトをご覧ください。
 私は、核分裂に関する技術については、兵器は勿論、原子力発電などの産業のための熱利用においても、本来人間が進めるべき技術分野ではなかったと思っています。しかし、地球温暖化という環境問題のなかで、原子力発電所は化石燃料を使わないことから二酸化炭素を出さないという優れた面があることも事実です。
 今回3月9日の大津地裁の関西電力高浜原発運転差し止め仮処分決定は、稼働している3号機をも停止させるもので福井の原発は「稼働ゼロ」となりました。大飯3、4号機の再稼働も年内は厳しい見通しで、福井県内の原発は当面動かない状態が続く可能性が高いようです。
 県では原発の電源に代わる電気エネルギーを産む、もしくは必要としない技術の開発を進めようとしています。「しがエネルギービジョン(案)」は、長期的、総合的かつ計画的なエネルギー政策を推進するための指針であり、新しいエネルギー社会づくりに向けて自主的、積極的に取り組みを進めていくための指針となるものです。その「基本理念」が「原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けて」ということです。
 いつも申し上げておりますが、私個人としては、最終処分の方法を見つけだすことのできない、核分裂利用は始めるべきではなかったのでは、と考えています。議員として、未来の選択を間違うことのないよう、現状の分析に努めたいと思います。

北陸新幹線米原ルートの実現を!!

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敦賀以西は3ルートに 

 北陸新幹線は、上信越・北陸地方を経由して東京都と大阪市を結ぶ国が整備計画を決定した整備新幹線です。東京ー長野の開通は平成9年(1997)10月1日。私がこの原稿を書いている3月14日は、長野・金沢間が開業してちょうど一周年、東京と金沢は最速2時間28分で行き来できるようになりました。金沢ー敦賀間の開業は平成34年(2022)の予定、敦賀以西の着工は平成47年(2035)頃になると予想されています。
 敦賀以西ルートとして提案されていたのは(図参照)、①「小浜ルート」 ②「湖西ルート」 ③「米原ルート」の他、JR西日本が検討している④「小浜・京都ルート」⑤与党北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会(以下、与党検討委員会)の西田昌司委員長が提案する「舞鶴ルート」と5つありました。
 3月10日、与党検討委員会は、③「米原ルート」④「小浜・京都ルート」⑤「舞鶴ルート」の3ルートに絞って検討することを決定しました。今後は、国土交通省が3ルートの調査を行い新幹線ルートを決定します。
 昭和48年11月13日に決定されているこの北陸新幹線整備計画には主な経由地として長野市付近、富山市付近、小浜市付近と明記されているのが、どの時点で変更されるか政治力が気になるところでもあります。

米原ルートの実現を!!

 敦賀以西ルートの決定は、将来にわたり滋賀県の経済情勢や日常生活に大きな影響を及ぼします。
 例えば、北陸新幹線が開通した富山市や金沢市は、様々な投資が進み、観光やビジネスなどの交流人口が増加し、それに伴って、新たなビジネスチャンスが生まれ、人口も着実に増加しています。
 今、地域の格差、人口減少社会の問題を解決する手段として観光産業という分野が注目を集めています。敦賀以西ルートを米原に接続することは、単に北陸と関西を新幹線によって繋ぐだけではありません。新しい商圏が生まれ、中部圏とも更なる交流が生まれることになります。外国人観光客の動向を考えても、新幹線という交通インフラが整備されていることが滋賀県の発展の前提です。
 敦賀以西の着工はおよそ20年後のことで、なかなか実感することは難しいかもしれませんが、今、この時期の決定が、滋賀県のそして湖東地域の未来を左右することになります。 最近、彦根市役所や彦根商工会議所に『「未来のために北陸新幹線米原ルート」を実現しよう!!』と書かれた懸垂幕が設置されたのも、敦賀以西ルートの重要性を物語っています。
 私は湖国を走る北陸新幹線を目にすることはできないかもしれませんが、未来の湖東地域のために、「米原ルート」実現に向け、一県会議員としてできる限り尽力したいと思っています。

並行在来線問題

 北陸新幹線の敦賀以西ルートは3つに絞られましたが、③「米原ルート」、④「小浜・京都ルート」に決定した場合、最も、大きな問題となるのは「並行在来線」です。「米原ルート」はJR東海の過密ダイヤ、JR東海とJR西日本の運行システムの違いなどの問題が指摘されていますが、技術的な問題ですので解決は可能だと聞いています。
 並行在来線というのは、整備新幹線の建設に伴い、同区間を走行する在来線の優等列車が新幹線に移る線のことです(優等列車とは特急・急行などで、各駅停車、快速、新快速などは含まれない)。
 「米原ルート」では北陸線が並行在来線になり、「小浜・京都ルート」では湖西線が並行在来線になる可能性があります。
 整備新幹線と在来線の2路線を経営することになるJRの負担を回避するため、新幹線開業時にJRの経営から分離するという考え方で、「整備新幹線の整備に関する基本方針」に「並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意」という項目があります。
 これまで、新幹線の開業に伴い分離された在来線は、地方自治体が出資する第3セクターが引き受け、列車運行を継続しているところが多く、敦賀以西ルートにおいても並行在来線は滋賀県の大きな課題となります。
 滋賀県交通戦略課では、各々のルートの費用対効果などを試算しており、滋賀県は米原ルートを推奨しています。最も早い時期の開業が可能で、建設費も最も低額で、更に、平成39年(2027)開業予定の品川ー名古屋間のリニヤ中央新幹線へのアクセスなどの利便性が優れているからです(『北陸新幹線敦賀以西ルートに対する考え方』は滋賀県のウェブサイトからダウンロードできます)。
 並行在来線の問題は、地域に与える負の影響も懸念され、私は、今後も動向を注視し、見識を広め研究していきたいと思っています。
 どうぞ、皆様の考えもお聞かせいただければ幸いです。

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