想うことなど……

わたしたちの町……

2006.11.22

彦根は江戸時代から連綿と続く歴史を有する町です。写真は寺町の風景。真新しい石畳の向こう側は市場商店街が生まれ変わった「四番町スクエア」です。「四番町」は江戸時代の「白壁町・内大工町・寺町」が合併して成立した町の名前で、明治22年犬上郡彦根町の大字、昭和12年に彦根市四番町となりました。昭和44年、住居表示の実施で中央町・本町一丁目の一部となります。旧町名やコミュニティーもまた、江戸から、明治・大正・昭和という断続的にわたしたちの町に残る文化ではないでしょうか。

十年ほど前からでしょうか「大正モダン・昭和レトロ」という感性が観光客誘致に欠かせない重要な要因となっていると言われ始めました。
大量消費社会、高速通信網の整備により、私たちの記憶や感性までも消耗品のように扱われるような現代において……、時代の流れを否定することはできないまでも……、「古き良き時代を懐かしむ」ことで「少し前の自分」を取り戻そうとしているのかもしれません。モダンと称せられたライフスタイルや、レトロという懐かしい感覚を求める人々が増え、ヘリテージングと言われる近代化遺産を巡る旅が流行っているのもそのためでしょうか。

わたしたちの町には、私たちが知らないだけで、多くのヘリテージングの要素が残されています。
来年、国宝・彦根城築城400年祭が開催されますが、忘れ去られ、失われゆくモノの多い中、江戸という時代だけでなく、彦根の近代化の様子にも着目することも必要なのではないでしょうか。