想うことなど……

彦根と映画

2007.02.09

昨年末から「武士の一分」「大奥」と彦根ロケの映画が話題になっていました。カメラが切り取った画面は物語との相乗効果で見慣れた風景とはまた違った新鮮な驚きがあります。わたしたちの町を背景として物語が展開する映像は、町の風景が時代を超え、繰り返し再生される記憶メディアだとも考えることができます。

例えば、吉永小百合さん主演の「青い山脈」には、1963年の彦根があります。お堀端、滋賀大学、彦根西中学校、本町、芹川……、当時西中学生だった人たちが画面に登場したりもします。また、昨年再築を終えた近代化遺産スミス記念堂も、吉永小百合さんと共に画面に納まっています。
夏目雅子さんが出演していた「鬼龍院花子の生涯」は1982年です。大正時代から昭和初期の土佐の風景として彦根が登場します。オープニングで人力車がお堀端を駆け抜けるシーンが印象的でした。
今、ロケーション・ハンティングがまちづくりの有効な手段のひとつとして注目されています。ロケ地という視点で再発見を試みるのも面白いのではないでしょうか。
どのような意図でロケ地となったか、その選ばれた理由が、外から観たわたしたちの町の魅力なのだと考えることができます。映画は、風景の記憶メディアであると共に、これからのまちづくりの視点でもあるような気がしています。
そのためにはまず、映画をたくさん観なくてはならないのですが……。