想うことなど……

甲子園 選手宣誓

2018.09.09
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 さて今年の夏、猛暑のなか忘れられない出来事のひとつは、近江高等学校野球部主将中尾雄斗さんの選手宣誓でした。私たちの若い頃とは違い、しっかりと自分の思いを言葉に、琵琶湖ブルーのユニフォームが甲子園に映え、心に残りました。
 「私たちはいま、100回という長く、重みのある歴史の上に立っています。数多くの災害に見舞われ、人々にとって笑顔だけでは乗り越えることのできない悲しみがありました。しかし、甲子園は勇気、希望を与え、日本を平和にしてきた証です」。
 乗り越えることのできない悲しみがあることを知っている……。その悲しみを抱えながら生きていくことを、私は教えられた思いがしました。その上で、「野球ができることに感謝し、多くの人々に笑顔と感動を与えられる、最も熱い、本気の夏にすることを誓います」と、淡々と結んだ言葉に、私は震えたのだと思います。そして、近江高等学校野球部の甲子園での戦いはまさに、そのことを具現していました……。