想うことなど……

妖怪がブーム!?

2013.07.07

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 2013年6月8日(土)~9日(日)、彦根の花しょうぶ通りで行われた「アートフェスタ勝負市」のイベントのひとつに「妖怪迷路 化け町」というのがあった。花しょうぶ通りに隣接する袋町を舞台に、京都の妖怪藝術団体「百妖箱」の皆さん扮する妖怪が出題するクイズを解いて回るラリーである。妖怪の文献に基づいた造形がリアルで、半端ではない怖さであった。また、NPO法人芹川の子育て支援部門が「彦根妖怪図鑑」を出版。更に、6月22日(土)には「彦根ゴーストーツアー」が催行され、滋賀大学経済学部講堂で『彦根屏風の幽霊』と題した講演会が行われた。
 「妖怪や幽霊がブームなのかな!?」と思っていたら、日本経済新聞に、国際日本文化研究センター所長小松和彦氏のコラムが掲載されていた。気になった部分を抜粋してみる。
 「ところで今、妖怪はブームであり、関連の小説やコミック、アニメ、ゲームが作られ、博物館や美術館では妖怪をテーマに展覧会がひらかれてたくさんの観客を動員し、グッズも売れているという」「しかしながら、妖怪は大学や研究コミュニティー等からは学術的に論じるに値しないものと長くみなされていた」「国の文化力とは、そうした「無用の用」を、つまり目には見えにくい、だが将来大化けするかもしれない基礎的、野心的な研究をどれだけ支援できるかにかかっているように思う」。
 妖怪や幽霊は夏の風物詩である。
この夏もさまざまな場面で登場することだろうが、エンタテイメントとしてだけではなく、小松氏が書かれている基礎的野心的な研究に興味を覚える。妖怪だけでなく地域には目に見えにくい、宝物がまだまだ埋もれているに違いない。どれだけ支援できるかどうか、地域の活性化の鍵になるのではないだろうか。大切なことはいつも目には見えないものなのかもしれない。