ニューズレター

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2013年7月 7日発行

いじめ問題について 6月滋賀県議会 代表質問

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 今年で生誕100年を迎える障害者福祉の父といわれる糸賀一雄先生の言葉が紹介されていました。それは「この子らに世の光を」ではなく「この子らを世の光に」という表現で命の尊厳が保障される世界を作っていくという考え方を示されています。これは障害者だけに向けた言葉ではなく全ての子供たちに共通する言葉でしょう。「この子らを世の光に」…全ての子供たちはこの社会を照らす希望の光であり、誰一人としていらない命などないということ、そして犠牲になった命が無駄にならずいつまでも教育の現場において教訓となり続けること、今一度学校、地域、家庭それらも含めて滋賀県の教育に携わる全ての人の心にその思いが届くことを願うものです。
 議会において第9問目の質問で「いじめ問題」に関して四つの質問をいたしました。
 昨年の10月に初会合を開いて以来進められてきた、いじめ対策研究チームの会議でありますが、この5月にその中間報告がまとめられたとのことです。
 この会議は一昨年の大津のいじめ問題が大津市で表面化しその対応に批判が集まるなか、知事が急に設置されたものでした。知事はこの会議の重要性を強調し、自ら出席し議論に加わるとのことでしたが、昨年末の未来の党騒動で早くも欠席するなど、知事の姿勢も問題になったのも記憶に新しいところです。
 ただ、今回こうして中間報告がまとめられ滋賀県のいじめに対する考え方と取り組み方が一定の方向性を出したことは評価すべきだと考えます。この報告書にもある通り、いじめというものの定義は非常に難しいものであり、そのことを認知するという行為は困難さが伴います。その困難さを十分承知した上で質問をいたしました。

  1. 教育委員会からの課題が多く、現場教員が子どもと向き合う時間が少なくなり、それにより子どもからのサインを見落としがちになっているとの指摘もあるが、この教育委員会と学校との体制上の関係について改善はされているのか。
  2. 今回の学校関係者の処分についての県の考え方と今後の対応について伺う。
  3. 現場と教育委員会との風通しの悪さと隠蔽体質をもった現場をいかに改善するかということも課題と考えるが如何か。
  4. 今後、連携を図る上で何を主眼的に捉え、いじめというものに対応していこうと考えているのか、県教育委員会のスタンスを伺う。

 いじめ問題で一番傷つくのは生徒です。教員ではありません。多感な思春期のなかで思いつめて、孤独感にさいなまれ、取り返しのつかないところまで追い込んでしまっていることがどれだけ罪なことなのか。
 記憶というものは時が経てば風化していくものでありますが、いつまでも今回起きたことを反芻し、いじめというものが撲滅できるまで滋賀県の教育委員会は全力を尽くすべきです。
 当該学校の関係者の処分で一区切りではなく滋賀県の教育に関わる全員がもっとこの問題を考えるべきことではないでしょうか。


妖怪がブーム!?

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 2013年6月8日(土)~9日(日)、彦根の花しょうぶ通りで行われた「アートフェスタ勝負市」のイベントのひとつに「妖怪迷路 化け町」というのがあった。花しょうぶ通りに隣接する袋町を舞台に、京都の妖怪藝術団体「百妖箱」の皆さん扮する妖怪が出題するクイズを解いて回るラリーである。妖怪の文献に基づいた造形がリアルで、半端ではない怖さであった。また、NPO法人芹川の子育て支援部門が「彦根妖怪図鑑」を出版。更に、6月22日(土)には「彦根ゴーストーツアー」が催行され、滋賀大学経済学部講堂で『彦根屏風の幽霊』と題した講演会が行われた。
 「妖怪や幽霊がブームなのかな!?」と思っていたら、日本経済新聞に、国際日本文化研究センター所長小松和彦氏のコラムが掲載されていた。気になった部分を抜粋してみる。
 「ところで今、妖怪はブームであり、関連の小説やコミック、アニメ、ゲームが作られ、博物館や美術館では妖怪をテーマに展覧会がひらかれてたくさんの観客を動員し、グッズも売れているという」「しかしながら、妖怪は大学や研究コミュニティー等からは学術的に論じるに値しないものと長くみなされていた」「国の文化力とは、そうした「無用の用」を、つまり目には見えにくい、だが将来大化けするかもしれない基礎的、野心的な研究をどれだけ支援できるかにかかっているように思う」。
 妖怪や幽霊は夏の風物詩である。
この夏もさまざまな場面で登場することだろうが、エンタテイメントとしてだけではなく、小松氏が書かれている基礎的野心的な研究に興味を覚える。妖怪だけでなく地域には目に見えにくい、宝物がまだまだ埋もれているに違いない。どれだけ支援できるかどうか、地域の活性化の鍵になるのではないだろうか。大切なことはいつも目には見えないものなのかもしれない。



県の財政について 6月滋賀県議会 代表質問

 第23回参議院通常選挙の公示まで、1ヶ月を切り、いよいよ、参議院選挙一色となるはずですが、マスコミも含めて、いっこうにその気配がありません。外交、内政共に重要な政策課題が山積し、問われているにも関わらず、あるいはネット選挙が解禁され、ネット上で国政に参画できる手段が拡がったにも関わらずに、でもあります。いったい、今、世の中で何が起きているのでしょうか?
 参議院選挙後は、憲法改正、TPP交渉、待ったなしの衆議院選挙制度改革、参議院のあり方、道州制の行方、原発・エネルギー対策、判断の迫られる消費税アップと、一向に進捗しない社会保障対策、何よりも、ネット社会に向けて問われる民主主義、どれひとつをとっても、我が国や滋賀県のあり方を決める重要な政策課題ばかりであります。
 1年後に到来する嘉田知事の任期、その8ヶ月後に行われる平成27年の統一地方選挙と続きます。いずれにしても、今夏の参議院選挙後の3年間は、地方を巻き込んで、日本の政治は大きく動くことになります。文字どおり「責任ある政治」「信頼される政治」「安定した政治」を国政だけでなく、この滋賀県においても、取り戻さなければ、なりません。
 それではまず、県の財政について知事にお尋ねします。
 平成24年度、当初予算編成における250億円の財源不足への対応として、歳出の抑制と、歳入では、県債の発行、財源調整的な基金の取り崩し、特別会計からの繰入、土地の売却などを見込んだ予算とされました。
 そして、去る、5月31日、平成24年度決算見込みが公表され、歳入・歳出とも平成23年度を下回る4000億円台となる模様です。しかし、当初予算額を上回る法人2税や個人県民税などにより、退職手当債発行の縮減が図られ、財源調整的な基金は取り崩すどころか63億強積み立てるなど、うれしい誤算ともいえます。
 予算における歳入は、厳しくかつ確実な額を見込むことを要諦とされていますが、一方で「厳しい財源」という名の下に、必要な事業までもが削減されてしまいます。
 なぜ、平成24年度決算見込みを先読みして、もっと年度内に機動的な行動で必要な事業、施策を講じようとされないのか、これらをふまえて決算見込みに対する見解をお伺いします。
 平成24年度の決算見込みによると、県債全体の残高は1兆円を超え過去最高となり、実に一般会計予算の2倍であります。県当局は臨時財政対策債の発行がその主因であり、臨時財政対策債を除く県債残高は減少していると、比較的楽観視されているようです。嘉田知事は公約で「これ以上借金を増やさない」と言われていました。
 しかしながら、要するに臨時財政対策債も借金は借金であり、どこかで歯止めをかけないと、1兆5千億円という一般会計の3倍に達するのは時間の問題ではないでしょうか。
公約が果たせていない、県債残高が毎年増加しているこの状況に対する県民への説明と、ご所見をお伺いします。
 平成26年度に向けた政府への政策提言の「次世代に向け持続可能な地方財政基盤の確立について」において地方交付税に対する提案をされています。こうした中、リーマン・ショック後に特別措置として設けられた地方財政計画の歳出特別枠の見直しが行われようとしています。今後の地方交付税制度についてご所見をお伺いします。



代表質問一覧 2013年6月28日

(第1問)県の財政について
 上記要約抜粋参照

(第2問)地方公務員の給与削減について
(1) 総務省通知への認識を知事に伺う。
(2) 交渉経過にどのような想いを持ったか伺う。
(3) 整合性がない判断の自己矛盾について知事の認識を伺う。
(4) 「労使関係の確保、職員の士気の維持」「知事と職員との信頼関係」をどのように担保したか伺う。
(5) 今後の交付税と政策への影響について知事の所見を伺う。
(6) 公民較差是正以外の要素を勘案することの対応について、人事委員会委員長の見解を伺う。

(第3問)琵琶湖の自然環境の現状と方向性について
(1) 様々な角度から県民が琵琶湖を利用する方策についてどのように考えるか。
(2) 琵琶湖保全についての関係市・町とのあり方についてどのように考えるか。
(3) 琵琶湖の再生に関する法律案にかける思いと期待について伺う。

(第4問)健康づくり対策について
(1) 健康寿命の延伸の観点から、本県の健康づくり 対策の現状と方向性について
(2) 「滋賀健康創生特区」の構想を踏まえて、健康づくり対策の具体的な推進方策について問う。
(3) 市町との連携や支援について見解を問う。
(4) がん検診受診率向上のためのロードマップについて、所見を伺う。
(5) 地域包括ケアにおける健康づくり対策のあるべき姿をどのように思い描いているか。

(第5問)産業振興に関する取組方針について
(1) ① 滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例のスタートに当たって、改めて知事の思いを伺う。
② 条例制定段階においても、県内中小企業の声を聴き、現場重視で進めていくことが求められたが、今後の計画推進における企業の状況をどのように把握していくのか。
(2) ① 今後、「滋賀県再生可能エネルギー振興戦略プラン」を実効性のあるものとしていくことが必要であると考えるが、プラン推進に向けての財政的な裏付けの根拠も念頭に、知事の決意について伺う。
(3) ① 現計画に対する実績はどうなのか伺う。
② 滋賀県の観光を振興していくにあたり、審議会での議論も踏まえ、何が一番の課題と考えているのか。
③ 課題を解決するため、県としてどのような取り組みを進めていこうとしているのか。
④ 新計画での「ブランド」についての考え方を伺う。

(第6問)滋賀の農業・水産業新戦略プランについて
(1) 「環境保全型農業」への政府の支援の見通しはどうか。
(2)  「環境こだわり農業」を本県農業にどのように位置づけ、どのように推進していくのか。
(3) TPPの交渉参加についての見解を伺う。
(4) アユの産卵減少の原因と現在の状況を問う。
(5) ホンモロコの状況をどう評価し、琵琶湖全体へ広げていくのか問う。

(第7問)滋賀交通ビジョンについて
(1) 答申ではどのような課題が示され、解決に向けた対応はどのようにまとめられているか。
(2) 関西広域連合委員会において北陸新幹線のルート提案に係る取組方針が決定されたと聞くが、その内容について伺う。

(第8問)滋賀県流域治水の推進に関する条例骨子案について
(1)「地先の安全度マップ」の公表について、その状況と、公表に至っていない市にあっては、その事由ならびに今後の公表の見通しについて伺う。
(2)①条例骨子案等の主な概要について伺う。②条例骨子案等の説明を受けた市・町から出された主な意見などの状況について伺う。
(3)これまでに市・町から寄せられている意見等への対応も含めて、どのように市・町の理解と協力を求めていこうとしているのかについて伺う。

(第9問)いじめ問題への対応について
 上記要約抜粋参照

(第10問)滋賀県警察本部のこれからの方針について
(1) 今後こうした学校内で起きることにも積極的に関わっていくことを続けるのか今後の教育現場との起こりうる事案への連携についてどのようにするのか伺う。
(2) 巧妙化する詐欺事件や、女性や子供を狙ったわいせつ事案に対して具体的にどのような姿勢を貫いていくのか。
(3) 赴任に当たっての決意などについて

細江正人の代表質問に対する答弁(知事、人事委員会委員長、教育長、警察本部長)の動画 - 滋賀県議会サイト

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