想うことなど……

滋賀県の受け取るふるさと納税額は、全国最下位

2017.03.20

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 この国の直面する課題の一つに、地方の人口減少があります。滋賀県も人口の増える南部と、その数を大きく超えて減少する湖東・湖北の地域があります。後継者として残るはずの若者は都会に出て、暮らしと営みを続けるのは高齢者ばかりとなり、超高齢化が進んでいます。一方都会では未婚化晩婚化が社会現象となっています。
 国の地方創生の下、「産官学金労言」が総力を結集してまちづくりに汗をかき我々の地域を守ろうとしておりますが、一朝一夕に解決するものではありません。産官学に加え、「金」は金融、「労」は労働界、「言」は地方の状況をよく知っているマスコミです。
 地方の基礎自治体が生き残るためのひとつの方策として、平成20年度の地方自治法改正により、「ふるさと納税の制度」が創設されました。
 このふるさと納税には3つの意義があります。

納税者の選択

 税制は国および自治体が課税権に基づき強制的に徴収するものですが、ふるさと納税制度の実現により、国民は自分の意思で納税対象を選択でき、国民は税を自分のこととして考え、納税の大切さを自覚する貴重な機会になるとされています。

「ふるさと」の大切さ

 ふるさと納税を通じて、美しい郷土を愛し、育ててくれた「ふるさと」の恩に感謝する本来の人間性への回帰の貴重な経験となるとともに、地域に貢献したいという真摯な思いを実現することが可能となり、それが豊かで環境にやさしい地方を育てることにも繋がっていくとされています。

自治意識の進化

 納税を受けたい全国各地の自治体は、その出身者等にその魅力をアピールしていく必要があり、「ふるさと納税」されたお金の使途、成果等の効果的な情報提供について自治体間の競争が刺激され、この切磋琢磨は自治体と住民に、納税をしてもらうにふさわしい地域のあり方を改めて考える貴重な機会になるとされています。
 また、ふるさと納税はその金額に応じたものではありますが、懐かしいゆかりの品などが届く仕組みです。この返礼品が過剰で過当競争になってきたとの批判も聞かれますが、私は、この返礼品についてもその地産のものであれば、経済の振興、地域の活性化に寄与していると考え、大いに賛成するものです。

 県、市、町どこにでも「ふるさと納税」ができ、平成27年度は寄付金控除の特例控除額の拡大等、制度が拡充したことにより爆発的に増加し、前年度に比べ受入額は4.3倍の約1千653億円、受入件数は3.8倍の約726万件となりました。ところが、滋賀県の受け取るふるさと納税額は東京都を除くと全国最下位と報告されています。全国で、世界で活躍する「三方よし」を旨とする近江商人のふるさとが、最下位、これはとても残念なことだと私は思います。地元に住まいする皆さんはどのように思われますか。
 ふるさと納税、平成27年、地方自治体の最高額は宮崎県都城市で42億3千123万円との報告もあり、この額は同市の平成27年度予算751億2千万円の5・6%にも達する大きな額になっています。
 滋賀県議会平成29年2月定例会議に平成29年度予算は、前年度1・9%減で提案されました。税収の伸びが見込めない中、ふるさと納税で少しでも増やすようにし向けていくべきだと考えます。
 ぜひ都会に行ってしまった親戚、友人、知人に、これをお読みいただいたあなたがセールスマンとなってこの制度を積極的にお知らせして、この地には入ってこない住民税に代わるものとして、「ふるさと納税」を増やし、この地域の税収増につなげていただきたいと念じます。