想うことなど……

彦根城の世界遺産登録

2018.11.18

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 国宝彦根城のユネスコ世界遺産登録に関して彦根商工会議所が80周年記念事業の一環として世界遺産検定やセミナーなど数多くの行事を開催され、いきなり関心が高まってきたようにも感じます。
 10月22日、彦根城博物館の能舞台で「ICOFORT(アイコフォート)国際会議 2018 in 彦根」の関連イベント「能 仕舞〜Noh Play」が催された日の夜、彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会の研修会が開かれました。  彦根城の世界遺産登録については悲観的に考える人が散見される中、この1000人委員会の私の後ろに座られた参加者からもネガティブな話が聞こえてまいりました。
 10年以上前のことになりますが、当時の商工会議所会頭が実行委員長となり彦根市長と共に国宝・彦根城築城400年祭開催に向けて、様々な事業に取り組んでおられました。ひこにゃんが誕生したのはそのころでした。商標権や著作権の問題などもおこりマスコミでもなんだかんだと取り上げられたこともあり一躍有名になりました。
 着ぐるみのひこにゃんの仕草がとても可愛かったことから一気に人気が上がり、いまや「彦根城」よりも「ひこにゃん」が有名になってしまいました。定期的に登場する天守前や彦根城博物館縁側、四番町スクエアなどへは今でもわざわざひこにゃんに会いに来ていただいている状況が続いています。
 実行委員長のこのときの言葉がとても印象的に残っています。「あかんあかんと言っていては何も前に進むことはない。何事も前向きに考えなくてはいけない」とおっしゃって進められた結果、国宝・彦根城築城400年祭は大成功裡に閉幕しました。
 今年と、昨年登録された日本の世界遺産は長崎県の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」など、キーワードがその普遍的価値を見事に言い表しております。近年は一言で言い表すそのコピーライトが決め手になるようです。
 江戸時代というのは国内で270年もの間戦争のない平和な時代でした。そのことは世界史上他に例を見ないとのことです。
 私はこのような戦争のない国を創り上げた城郭の全国各地のひな形となった、惣構えの彦根の城下町を一言で言い表すキーワードを見つけることで世界遺産登録の突破口を開くことができるのではないかと考えます。「あかんあかんと言っていては何も前に進みません」。専門の先生方にお任せするのではなく、みんなで世界に唯一無二の普遍的価値を言い表すキーワードを考えなくてはならないと思っています。