想うことなど……

観光とアプリ

2019.01.27

 昨年末、いつでもどこでも、ひこにゃんと記念写真を撮ることができる「ひこにゃん WITH」というアプリが発売になりました。なかなか楽しいものです。現実の世界にバーチャルのひこにゃんを重ねることで、実際にはあり得ない写真を撮ることができるのです。ダウンロードに240円が必要ですが、特典としてひこにゃんの画像1ポーズが手に入ります。これだけでも十分に楽しめますが、彦根市内に設定された10のポイントを訪れれば、ひこにゃんの10種のポーズを手に入れることができます。彦根城内に3カ所、城下町に6カ所、そして佐和山にポイントがあります。私も久しぶりに城下町を歩きました。
 平成28年「彦根市観光に関する経済効果測定調査報告書」によると、彦根城入山者数は786,200人、夢京橋キャッスルロードへの来街者は272,000人。彦根城を訪れた観光客全員が必ず城下町(市内商店街)を訪れるとは限らず、また年々城下町への来街は減っています。
 観光消費は滞在時間に比例します。城下町を歩きひこにゃんと記念写真を撮ることができるアプリは滞在時間を延ばすための一つの可能性と考えます。また、撮影した画像はSNSに投稿可能といいますから、彦根の広報にも繫がります。
 誰もがスマートフォンを携帯し移動する時代です。湖東地域の外国人観光客は急増しています。外国語表記の案内版などの設置は急務ですが、将来を考えるとネット環境の整備と外国人観光客のためのルート案内アプリの開発を急ぐことが得策であると考えています。最新の情報を提供することができ、経年による劣化もありません。また、歴史観光は、事前学習がその楽しみを何倍にも増幅してくれます。「長崎さるく博」は多く注目を集め歴史観光の先駆事例として語られてきました。それは、「語り部」ガイドが観光客の事前の学習負担を軽減する役目を果たしたからです。
 丁寧なコンテンツ解説、ルート案内、移動時間、交通手段、食のルールを明確にした店舗案内、宿泊施設案内など、使い勝手のよいアプリは観光戦略として強力なツールとなるでしょう。多言語の案内版も必要のない時代がそこまで来ていることにこそ、私たちは焦りを覚えなくてはならないのです。

ひこにゃん WITH 公式サイト